人間の3大欲求のひとつ、性欲を満たすための「オナニー」。
そしてそのオナニーライフを充実させるものとして、「オナホール」は非常に重要な存在です。
性的快感を倍増させてくれるオナホールがなければオナニーももっと単調なものになってしまったはず。
いったいオナホールはいつ生まれたのか?
先人たちの苦労、そして驚くべき創意工夫、そこには人類の性の歴史とも呼べる変遷と葛藤がありました。
これからご紹介する「オナホールの歴史」を読めば、もっとオナホールへの理解が深まります。
日本のオナニーの歴史
そもそも自慰行為、「オナニー」とはいつから知られていたのでしょうか。
語源は旧約聖書に登場するオナンという男性です。
1640年代の西洋諸国ではオナニーが禁忌行為にあたるとも考えられていたり、「邪悪なモノ」として考えられていたようです。
自慰を行う者は、神の教えに背く冒涜者と同じように「最高刑は死刑」と定められていました。現代から考えると信じられないですよね。
背徳的な行動と捉えられている一方で、16世紀頃の医学では逆に奨励されていたりと、複雑な事情があったようです。
子どもたちが「固まりミルク」などと称して精液を飛ばし競い合う遊びがあるなど、庶民の間では意外なほど開放的にオナニーが行われていたという事実もあります。
17世紀以降になると、ドイツの哲学者カントによってオナニーが有害なものと扱われてしまいます。
反オナニーは19世紀になると原因不明の病気の要因がオナニーに全部押し付けられるなど、散々な扱いに・・・。
一方、我が国日本ではオナニーは「かつはるみ」と呼ばれていました。
13世紀、説話物語集の宇治拾遺物語には、1人の僧が「かはつるみはいかが候べき」と尋ねるシーンがあります。
本来僧とは女性との性行為が一切禁じられているもの。
そこに若い僧が「オナニーはしてもいいんでしょうか?」なんて聞いてしまったわけですね。
江戸期になると儒医学者が「過度のオナニーは慎むべき」などと戒めたりと、禁忌行為とは言わないまでもオナニーに対する抵抗はあったようです。
時代が明治に移り変わると、「オナニーの害」について専門家の中で喧々諤々の議論が始まります。
特に、オナニーが病の原因になるのか、という部分については医学者の中でも意見が分かれます。
世界においても、日本においても、オナニーの扱いは歴史とともに変化し、禁じられたり逆に奨励されたりと慌ただしくその意義や価値なども移り変わっていったのです。
オナホールの起源は吾妻形
オナニーのためのオナホールは江戸時代初期にまで遡ります。
現在でもオナニー道具として使われるこんにゃくなどは昔から使用されていたものの、きちんとしたオナホールの原型となるのは「吾妻形(あずまがた)」と言われるものでした。
江戸時代の書物、好色訓蒙図彙という色事百科事典に登場するこの吾妻形、刀の鞘の技術を応用していて、内部には柔らかなベルベッドが張られ、これが直接男性器に当たり、包み込むものでした。
割れ目に陰茎を挿入するという使用方法はオナホールと同じで、基本的な部分はすでに完成されているかのように見えます。
しかし、もちろん現代の高性能なオナホールとは質は全く違い、例え潤滑油を塗ってもそこまで気持ち良いと言えるものではありませんでした。
内部の締め付けや食いつきなども薄く、快楽の度合いは現代のオナホールとは似て非なるもの。
そもそも海外からの輸入であるベルベッド自体が非常に高価で、貴重なものだったという理由もあります。
上流階級ではない庶民は仕方なくこんにゃく等を使っていたようです。
吾妻形は本来のオナホールとしての扱いはされていなかったと見る意見もあります。
貴族の間でのいわゆるジョークグッズ扱いで、吾妻形で実際にオナニーを行っていたのかは疑問符が付くところです。
オナホール以外の性具も起源は古かった
オナホール以外にも、女性のオナニー道具として有名なディルドの歴史もかなり古く、飛鳥時代の遣唐使が献上品として青銅製の張り型を中国から持ってきたという記録もあります。
奈良時代にはディルドはさらに進化し、材質は水牛の角に変わります。
「オナホールの遥か以前にディルドが作られるとは…やはり女性のほうがオナニーのこだわりが強かったのか?」と思われるかもしれませんが、これは残念ながら祭事用の意味合いが強かったと言います。
女性の秘部に直接挿入して実際に使用するような目的ではあまり使われなかったようです。
鎌倉時代にはローション代わりの丁字油、そして男色用張型が記録に残っています。
まさか鎌倉時代にアナル調教があったなんて驚きですね。
しかもゲイ用、性の歴史とは本当に深く複雑なものですね。
さらには江戸時代には精力剤や媚薬が登場します。
「長命丸」は元々室町時代にあった健康食品のような丸薬ですが、江戸時代になるとセックス前の塗布剤として有名になります。
射精を遅らせ早漏でも長く愉しめるような薬です。
アダルトショップには「互形」と呼ばれるディルドが並び・・・もう現在のアダルトグッズ事情に近くなってきますね。
ディルドの材質もかなり凝っており、クジラの歯や水牛の角、木から鼈甲まで。より本物に近い、むしろそれ以上の硬度のグッズが多く見られます。
「姫泣」といういかにもな名称の補助器具も存在し、セックス時の快楽を向上させるようなものまでありました。
真珠入りの男性器を思わせる鎧形、そして海鼠の輪と呼ばれる増強グッズまで。「ペニスに自信がない」という男性は当時にもいたんです。
長さも形も硬度もサポートしてくれるこれらのグッズで、性交も盛り上がったでしょうね。
性への探求心、この頃の日本人は凄かったようです。
まとめ
オナホールとひと言で言っても、長い歴史と多くの人々の努力と苦悩があることが分かりました。
自慰行為そのものを「悪」と決めつける者もいれば、人間の自然な欲求として擁護する者もいたり・・・。
この辺は現代にまで続く性の価値観とそれを巡る争いにも繋がる問題ですね。
そしてオナホールやそのほかのアダルトグッズの進化の歴史も大変興味深いものでした。
材質の変化や器具そのもの変遷を追いかけると、それそのものが「人類の性の歴史」とも言える気がします。
ただ性的快楽に導けばいいというものではなく、より深く、より気持ち良くという追求が今日の高品質なオナホールを誕生させた理由です。
この記事を読んだ後はオナホールが今まで以上に愛おしいものに見えてしまうかもしれません。
先人たちの努力に感謝しながらヌイてみるのもいいかもしれません。